邪魅の雫 京極夏彦

 おはこんハロチャオ!!カノンさんですよ!!


邪魅の雫を読んだので、感想を書きます


 複雑に絡み合う人間関係と、不可解な殺人事件が繰り広げられる京極堂シリーズの『邪魅の雫』。物語が進むにつれて、絡み合っているはずの糸が、実は別の糸を見ているだけなのではないかと錯覚してしまうほど、真相が見えなくなっていく。

 多くの登場人物、陽炎のように見えるようで見えない人物たち。一方向から見て語られる人物像は、本来の彼らを的確に語っているのか、それともそうあって欲しいという幻想なのか。

 人は簡単に他人になれるのか、それとも他者が語り合う同一人物は本当に同じ人物なのか、それとも人の形は万華鏡のように構成要素は同じでも別ものなのだろうか。


 眼の前に、完全犯罪の道具がある、それをあなたは使いますか?人を殺すのはなぜいけないことなのですか?そんな問いかけをする物語は増え続けている。有名なものなら「DEATH NOTE」。この物語では邪魅の雫を使用する過程が重要でもある。使用する心が重要なのである。使用する人物により、納得できるものも、呆れるものもある。


 物語は榎木津礼二郎の過去に関係するようである。榎木津礼二郎は探偵である。京極堂シリーズは探偵物語であり妖怪物語である。それゆえに榎木津礼二郎はこの世界の主人公の一人なのだ。だからこそ登場人物たちは、彼を中心に右往左往するのである。

 だからこ、彼が犯人にとどめを刺すのである。このやるせない、なんとも言えない事件の数々、嫌な人物だけでなく、良い人物でさえ簡単に死んでしまうからこそ、やるせないのである。

 榎木津礼二郎の最後の一言で、全ての溜飲が下げるのだ。

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