魍魎の匣 感想

 魍魎の匣 京極夏彦

おはこんハロチャオ(o^^o)

カノンさんですよ!!


 京極堂シリーズ第二作

京極堂シリーズもしくは京極夏彦先生の最高傑作とも呼ばれている小説です!


 以降ネタバレあり

 以降のシリーズの骨格をなす作品です。

1 姑獲鳥の夏は関口の視点のみだったが、魍魎の匣から事件に関わる様々な人の視点が入るようになった。

2 時系列通りに書かれなくなる

3 複数の事件が複雑に絡まって進む

4 作中作がでてくる。(小説によっては犯人視点、コナンくんでいう犯人の犯沢さん視点であるwww)

 そんな感じで、京極堂シリーズの書き方が整えられたようです。

 魍魎の匣が名作なのは周知の事実ですが、それは冒頭から読者を異界に誘うことが成功してるからです。冒頭の文章は不思議な始まり方をします。手記のような日記のようなそんな文章で始まります。汽車のなか、向かいn座った男から、ツボが入りそうな手軽な匣の中身を見せてもらいます。日本人形のような顔だ。胸から上だけが匣の中に入っている。娘もにっこり笑って、「ほう、」と、云った。ああ、生きている。

 日記のような、手記のような、装飾が少ない文章だからこそ、読者は細部まで自分の経験に合わせて想像できてしまう。それゆえに、読者は異界へと踏み込んでしまう。

 

 以降のシリーズにも出てくる登場人物も出てきます。

関口の担当編集者の小泉。赤井書房の鳥口。弁護士の増岡。神奈川県警の石井。

 四人ともに個性の強い人物で、その後のシリーズにはなくてはならないキャラとなります。

とくに今回の作品では、鳥口が宗教という難題を京極堂にぶつけているのが見どころの一つでもあります。ある意味、宗教も魍魎なのでしょう。

 今回も家族がテーマだと思います。四組の家族が出てきます。楠本頼子家、柚木加菜子家、美馬坂陽子家、久保竣公家の四組である。

    どの家族も様々な問題を抱えているのだが、その問題が表面化せず感じることが少ないのが、不思議なことに柚木加菜子家なのである。雨宮という血のつながりのない、不思議な男により絶妙なバランスを保っているのです。だからこそ、雨宮は彼岸しまった。それは愛なのかもしれない。姑獲鳥の夏の藤牧牧朗と同じ世界に生きていたのだろう。常識の外、でも犯罪ではない心の世界。藤牧は母を敬愛していた。だからこそ研究に没頭する。雨宮も加菜子を敬愛していた。だからこそ彼岸に行ってしまった。

 姑獲鳥の夏は父親の存在は表面だけを見て、闇に隠されたことを知らない存在であった。良い父親像であるかもしらない。

 魍魎の匣では二人の父親がでてくる。二人ともに仕事に没頭して家族をかえりみなくなる。それが事件の発端だったのだろう。

 魍魎の匣は誰もが幸せを求めて、足掻く物語なのかもしれない。少女二人はもがきながらも、明るい希望が確かにあったはずである。特に柚木加菜子は運命に翻弄された。本を愛し、友達を作り、喫茶店でお茶をしたり、好きなものを少しづつ見つける少女なのだろう。

 5、少女という存在が物語に大きく関わることが、確立された。(姑獲鳥の夏でもそうだったが、二作目で確定したと言える)

 6、妖怪は存在しない。


 魍魎の匣で京極堂シリーズが確立された、作品であり、彼岸という異界を確立した作品である。

 さらに、木場修や榎木津を深堀した。そして京極堂の過去がこれ以降の作品に関わることを、匂わせた。

 ミステリーとしても、読者に推理させつつ、大どんでん返しのアンチミステリーである。

 最高傑作と呼ばれるに相応しい作品である。

  

 ではではまたね。



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