鉄鼠の檻  京極夏彦

 禅宗の頓悟を中心においた物語である。

箱根の山奥に外界と隔絶された寺院。

空を飛ぶ僧侶。

発掘された蔵からは、時代にそぐわぬ蔵書。

数々の謎を解明する、探偵。

真相を解明しようとする、雑誌記者。

過去の事件に囚われる、小説家。

妖しい美僧たち。

歳をとらない、妖艶な振袖姿の美少女。

次々に殺害される、僧侶たち。

十何年前の事件との繋がり。

過去を思い出そうとする女。

精神世界に科学のメスを。

舞台は美しいほど、整えられている。

あまりにも人工的な舞台装置。

できすぎている


中禅寺敦子は言う。

「そうですよ。浮いた話のひとつもなくて、仕事ばっかりして、こう云った事件に首を突っ込むために生きているようなーーーでもそう云う女なんです私」


そして読者もそんな作り込まれた世界が、好きなのです。



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